ブルゴーニュワイン(2)
畑とワインの関係、もしくは色々なワインの見分け方について
シャブリなどの有名白ワイン産地を擁しているせいか、ブルゴーニュワイン全体としては白ワインの方が生産量が多いです。
また、「特級畑」と「一級畑」のワイン生産量は、両方足してもブルゴーニュワイン全体の15%だそうで、85%はそれ以外の畑から生産されていることになります。
この両者の味の違いですが、基本的には、同じ生産者であれば特級畑の方が美味しいと言われています。
ただし、生産者が違うと一級畑の方が美味しいことも珍しくないそうで、「良質な一級畑の生産者を探す」のがコツだと、ワイン関係の文章にはしばしば書いてあります。
「特級畑」と「一級畑」の選ばれ方については、全体としては一級畑が多く、特級畑がない地区もあるのですが、個別の畑で言うと、同じ村の中でも特級畑の方が一級畑より面積が広いこともあるそうで、あくまで畑の場所や状態が基準のようです。
当然ながら、数が少ない「特級畑」のワインは値段もかなり高いです。数十万円の値段がつくロマネ・コンティは別格としても、ちゃんとした生産者のワインだと、ボルドーの有名シャトー並みです。
「一級畑」でも決して安くはないですが、一万円しないワインもあるので、お財布的に何とか手が届くレベルのものもあります。
もともとブルゴーニュワインそのものが普段飲むには少し高いんですが…。
なので、基本的には村名・地区名・更にはAOCブルゴーニュといった、広域AOCのワインから探した方が良いと思います。
見分け方についてですが、ブルゴーニュワインの場合、ワインの名前になっているのは、正式には「そのワインが名乗れるAOCの名前」だそうで、前に書いた通り、特級畑と一級畑はそれ自体が独自のAOCですから、ワイン名が畑の名前になっているわけです。
具体的には
・ラベルに畑名のみ記載されているか「Grands Cru」と付記されているのが「特級畑」
・畑名+「1er Cru(プルミエ・クリュと読みます)」、もしくは畑名+村名(+「1er Cru」)が記載されているのが「一級畑」
のワインとなり、後は普通の畑になります。
村名のみ記載されているのが「村名AOC」、シャブリやマコネ(日本で「白のヌーヴォー」として売られているマコン・ヴィラージュ・ヌーヴォーは、この地区で産出されたものです)など地区名のみ記載されているのが「地区名AOC」、「Bourgogne」と書いてあるのが「AOCブルゴーニュ」となります。
幾つかの地区名AOCには「Bourgogne ~(地区名)」と「ブルゴーニュ」が付記してあるので、それも参考にしましょう。
店頭やネットで見た場合、特に混同しやすいのが「村名AOC」の値段が高いものと「一級畑」の比較的安いものと思われますが、後者には大抵「1er Cru」と書いてあるようなので、そこで区別するのが良いと思います。
こうしてみるとAOCブルゴーニュが少なそうですが、決してそんなことはなく、実はブルゴーニュワイン全体の生産量の半分を占めているそうです。
ワインの飲み比べを始めるならAOCブルゴーニュを生産者別で、という人もいるくらいなので、余裕があれば幾つか飲んでみるのもいいかもしれません。