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ブルゴーニュワイン(5) 地名

プチ・マリアさんのコラム
 
 
ブルゴーニュワイン(5)
ブルゴーニュ、バーガンディ、ブルグント
 
 
ブルゴーニュ地方のことを、英語では「バーガンディ」と呼びます。
 
このため、ブルゴーニュワインのことも「バーガンディワイン」と書いてあったりします。
 
さてこの「バーガンディ」、どういう由来の言葉でしょうか?
 
今回はそういう話をしたいと思います。
 
 
バーガンディは、アルファベットの綴りだと「Burgundy」と書きます。
 
日本語に直訳すると「ブルグント」という意味になります。英語ではドイツのことを「Germany」と書きますが、その感覚です。
 
ここで「ブルグント? ブルゴーニュじゃないの?」と思った人もいるかもしれません。
 
実は「ブルゴーニュ」とは「ブルグント」のフランス語での呼び方なのです。
 
 
ではその「ブルグント」とは何か、という話になると、時間を1500年以上遡らなければなりません。
 
そもそもの起こりは古代ローマ帝国末期、ライン川の東岸からバルト海沿岸にかけての、当時ゲルマニアと呼ばれていた地方から、その地の住民であるゲルマニア人が大移動を始めて、当時ガリアと呼ばれていたフランス、ベルギーに多数侵入してきたことです。
 
それ以前からゲルマニア人は平和的に移住してきてはいたのですが、この時はロシア・中央アジアの方からフン族という遊牧民族がゲルマニア人の土地に攻めてきていたので、押し出されるような形になったこともあり、かなり暴力的に移住が行なわれました。
 
ゲルマニア人の中にはアフリカまで行った部族があるほどで、この大移動がきっかけで古代ローマ帝国の西半分は最終的に崩壊します。
 
世界史、特にヨーロッパ史の最大公約数では、この事件(西ローマ帝国の滅亡、西暦476年)をもって、古代の終焉とします。
 
 
さて、ガリアというのはゲルマニアの隣なので、ゲルマニア人が大移動する際の通り道でもありました。
 
ゲルマニア人の中にはアフリカまで行った部族もありますが、イタリアに行った部族、スペインに行った部族といろいろあり、あまりライン川から離れなかった部族もあるのです。
 
その中の一つが「ブルグント族」と呼ばれる部族で、彼らがライン川を越えて定住したのがガリア東部、今のフランスのブザンソンやリヨンを含む地域でした。
 
「ブルグント族」というのは、当時のラテン語記録で彼らのことを「Burgund」と書いていたのが起源です。
 
彼らは定住した地で「ブルグント王国」を形成しますが、遊牧民族の攻勢にあって一度崩壊。この間の経緯がドイツの民族的叙事詩「ニーベルンゲンの歌」の大元になったようです。
 
王国は数十年後に再建するも、今度はガリア北部に移動したゲルマニア人の部族であるフランク族との戦争に敗れ、半世紀余り後には独立の王国としては滅亡します。
 
といっても自治権はそれなりに保持していたようで、フランク王国の一部として国王が置かれることもありました。
 
のみならず、数百年後の九世紀末にフランク王国が弱体化した時には、別の「ブルグント王国」が現れて、百年以上存続していますから、ブルグントという名前にはかなり求心力があったようです。
 
並行して、西フランク王国を引き継いだフランスによるこの地域の併合が徐々に進み、特にソーヌ川西岸地域は「ブルゴーニュ公領」として、フランスの王族による支配が行なわれるようになりました。
 
 
ただ、この地方はドイツ(当時の国名で言うと神聖ローマ帝国)にも近いことから領主にも自立傾向が強く、「ブルゴーニュ公国」と呼ばれている時期もあるほどで、最終的にフランス王の支配下に入ったのは、なんとボルドーがフランスの支配下に入ったのより後になります。
 
なので、15世紀末にこの地方の領有権争いをした、神聖ローマ帝国の皇帝一族であるハプスブルク家などの歴史を描いた本には「ブルグント公国」と書かれていることもあります。
 
というより、今でもドイツ語ではブルゴーニュのことをブルグントと呼びます。
 
そして、英語も言語の系統的にはドイツ語に近いので、「Burgundy」、バーガンディと書くわけです。
 
 
ピノ・ノワールのドイツ語名は「シュペートブルグンダー(Spätburgunder)」となっていますが、ブルグンダーはドイツ語で「ブルグントのもの」という意味です。
 
つまり、この品種がブルゴーニュ地方起源であることを示すものです。
 
このほか、ピノ系品種のドイツ語名には「○○ブルグンダー」とついているものが多いです。
 
ピノ系品種は生育環境の影響を受けやすいので、ブルゴーニュワインと飲み比べてみる価値はあると思います。
 
実際、私も「シュペートブルグンダー」表記のワインを飲んだことがあるのですが、ブルゴーニュワインやアメリカ辺りのピノ・ノワール主体のワインとは明らかに味が違いましたからね。
 
その時はさすがに「同じ品種でここまで違うのか!」と驚きました。ピノ・ノワールは生育環境で味わいが違うと聞いてはいましたが…。
 
「シュペートブルグンダー」のワインは、すっきりしていて飲みやすかったです。
 
 
 
 
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