障害者就労継続支援事業としてのカムラックグループの活動も10年になるが、この10年という節目をどう分析し評価するか。
果たして長くやっていることを売りにしたり自慢していいものなのだろうかと考える。
我々は国から納税者を一人でも多く輩出し、日本経済を支える人材の創出を委託されて皆様の税金を活用させてもらっている。
もちろんカムラックとしてはいろいろなことに挑戦し実績を出してきた自信があるし日々挑戦し結果を出すスタッフやメンバーにはとても感謝してるし尊敬している。
ただ、我々のやっていることを例えるなら、絶え間なく蛇口から流れる水をバケツやコップで止めるも間に合わず溢れ出る水を一生懸命いつも雑巾で拭いている感覚もある。
我々の活動は蛇口を捻ることにひとつも繋がってないんじゃないか。
この「蛇口から出る水を止める」ということは我々の世界では『障害』を無くす事だと考えている。
実際物理的な障害は無くならない部分もある。
なので我々の使命は環境的な障害を無くすということになる。
この環境的な障害を無くすという使命に対し、我々はこの業界で何年も何十年もやっているということをアピールすることは自慢であるどころか逆にいつまでも事業で社会課題を解決できなかった者として恥ずべきことなんじゃないかなと。
確かに就労継続支援事業者だけでは限界があるのも事実。
ただ、実際は送り出すどころか出口が無い事業所があまりにも多く、どんどん事業所が増えていっており財政を圧迫し各地で総量規制が行われている始末。
環境的な障害を無くすためには社会、行政、受け入れる企業、我々同業者、当事者、家族が危機感を共有し、もっともっと意識を高めて行動に移していかなくてはならい。
危機感というのは何か。
高度経済成長下の日本においては人口が爆発的に増え、労働人口の増加、税収の増加の追い風により世界に誇る日本の社会保障制度が確立した。
ところが今は逆に人口減、労働人口減、税収減のなか、税金は高齢化社会、国防、子育といった新たな課題に使わざるを得ない背景にある。
いままさにその日本が世界に誇る社会保障が音を立てて崩れている最中。
なので次の10年は国の力、皆さんの税金に頼らない就労継続支援事業にシフトしていくべきだと考えている。
一番危機感を感じないといけないのは当事者である。
これまでのような社会保障が続くとは思わない方がいいし誰かがなんとかしてくれるとも思わない方がいい。
もう既に日本の実態は支える側より支えられる側の方が多い構造。
故石原都知事が震災した福島の瓦礫を東京都に受け入れる際に「強いものが弱いものを助けるのは当たり前じゃないか」と記者に言い放った。
確かにそうだ、日本人は特にそうあるべきだと思う。
ただ、そこにいつまでも甘えててはいけない。
就労継続支援事業の現場においても頑張っている方に障害年金をつけてあげたいと腕のいい社労士を紹介して障害年金の受給が確定したらもう頑張らなくていいので辞めますと言って辞めていったり、失業保険が健常者より長く(300日や一年)満額に近い金額がすぐ出る関係上働いては辞め働いては辞めを繰り返したり、生活保護が減るのでこれ以上働きませんとか。
言い出したらキリがないが、社会保障が自立の妨げになってしまっている場面が多いのも事実。
誤解のないように言いますが、本当に必要な方には必ず必要な社会保障です。
これからは社会で活躍できる方は障害者だろうと健常者だろうと関係なくどんどん社会に出て経済的に自立していく社会や制度に、そしてそこが厳しい方々には更なる手厚い社会保障と公平なジャッジ。
そんな社会づくりにカムラックグループは貢献していきたいと考えています。
最後に、私は通うだけでお金がもらえる就労支援事業所で毎月数万円のお給料(もしくは工賃)と障害年金か生活保護があればいいんですと日々を過ごしている当事者の方やその事業所で働くスタッフの皆様へ。
間違いなくその様な事業所は無くなりますし実際破綻しています。
しかし残念がること勿れ。
夢や希望、志をもつ方にはこれからどんどんチャレンジできる環境や社会になっていきます。
どうか夢や希望を持ってこの国を支える人材、与える側の人材となっていってください。
その支え方や与え方は人それぞれです、大きい小さいもありません。
我々の地域、我々の社会は我々で創り、そのうえで未来に託していきましょう!!
これまでに縋れば暗い。
未来に希望を持てば明るい。
私も頑張ります。
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