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ワインの王様・ボルドー(3)ボルドーワインで使われるブドウの品種 ~赤ワイン編~

プチ・マリアさんのコラム

一回目ではボルドーワインでよく聞かれる「格付け」の話を、二回目ではワインの名前についている「シャトー」の話をしましたが、今回はワインに使われているブドウ品種の話をします。

一口にボルドーワインといっても、シャトーのある地区によって、植えてあるブドウの品種は異なります。

一応、地域全体の赤ワイン用ブドウ品種としては、カベルネ・ソーヴィニヨンとメルロー、カベルネ・フランなどが有名です。

この三品種、実は同じボルドーでも栽培する地域がかなりはっきり分かれているそうです。

この地域分けにはボルドー地方を流れる二つの川が関係しているので、まずその川の説明をした方がいいでしょう。

この地方には、南東部からガロンヌ川、東部からドルドーニュ川という二つの川が流れてまして、合流してジロンド川になり、北東に向けて大西洋に流れ込みます。

ジロンド川は川幅が3km以上と広く、実質的には海というか三角江に近いそうです。


ブドウ品種に話を戻すと、例えば、オー・メドック地区などのジロンド川~ガロンヌ川左岸地域では、カベルネ・ソーヴィニヨンがメインですが、これはこの品種が砂と小石の多い、水はけのいい土壌を好むためだそうです。

これに加えて、畑の土壌の違いや、味のブレンドの関係から、粘土質の土壌を好むメルローを幾らか混ぜるのがジロンド川左岸地域では一般的なようです。

ただし、メドックの南にあって、ガロンヌ川とドルドーニュ川との合流地点から距離のあるグラーヴ地区では、メルローがメインのようです。

このほか、マルベック、プティ・ヴェルドといった品種が少量使われています。


それに対し、ドルドーニュ川右岸地域では、メルローとカベルネ・フランが多く、特にメルローが中心だそうです。

とりわけドルドーニュ川と支流のイル川との合流地点付近にあるポムロール地区(シャトー・ペトリュスで有名)や、イル川対岸のフロンサック地区ではメルローがメインだそうです。

シャトーによってはカベルネ・ソーヴィニヨンを混ぜることもありますが、かなり少ないようです。

メドックやグラーヴで少量使われている品種は、ドルドーニュ川地域ではまず見かけません。

ただし、合流後のジロンド川になると、右岸地域でもマルベックを少量使うシャトーもあるそうです。


面白いのがカベルネ・フランで、紀元二世紀の古代ローマ帝国時代にワイン作りが始まっていて、ポムロールの東側にあるサンテミリオン地区では、この品種をメインに使ったワインも多く売られているそうです。

一方、この品種はジロンド川~ガロンヌ川左岸地域ではほとんど使用されません。例外として、サン・テステフ地区とサン・ジュリアン地区で少量植えられていますが、これは両地区の特殊な土壌が影響しているそうです。

一応、カベルネ・フランとソーヴィニヨン・ブランが交配してできた品種がカベルネ・ソーヴィニヨンなのですが、カベルネ・フランは水はけのよくない土地でも育つため、カベルネ・ソーヴィニヨンが育ちにくい土地で植えられているそうです。


ちなみに現在では、ボルドー全体で最も栽培面積が多い赤ワイン用の品種はメルローだそうです。


このコラムは脳性まひによる肢体不自由プチ・マリアさんがパソコンを活用し不定期ですがいろいろな情報を連載しています。



 

 


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