ワインについて訊かれること その二
前回に続いて、ワインに関して訊かれることについて書きます。
1.ロゼワインってどうやって作るの?
ロゼワインには、基本的に、単独の決まった製法はないです。
EUでは「白ワインと赤ワインを混ぜて作る方法」は原則として禁止されていますが(例外的に、シャンパンのロゼには一部この製法のものがあります)、日本で売られているロゼワインはEU以外のものもあるので恐らくこの方法で作られたものもあるでしょう。
そのEUで合法とされている製法としては、大きく分けて
a.赤ワイン用のブドウで醸造を開始した後、果汁が着色した段階で果皮を取り除いて果汁のみを発酵させる
b.赤ワイン用のブドウを圧搾して果汁に色を付けた後、白ワイン同様の方法で醸造する
c.赤ワイン用のブドウと白ワイン用のブドウを混ぜて醸造する
の三つがあります。a.に関しては更に
a'.赤ワインの色を濃くするために醸造途中で果汁を減らすことがあり、その減らした果汁のみを使ってロゼを作る
方法もあり、aとa'を合わせて「セニエ法」と呼ばれるそうです。
更に、EUでは合法でないかもしれませんが
「果皮の色が薄いブドウを使って赤ワインと同じ方法で醸造する」
という方法もあり、この方法だと香りや味は赤ワインに近くなるそうです。
ちなみに、料理との合わせ方についてですが、ロゼに関しては結構酸味や辛みのある料理が合うようで、肉か魚介類かより味付け次第という印象を受けました。
2.ワインは値段が高いほどおいしい?
ワインには一本数百円程度のものから数万円、数十万円するものまであります。
そうなると気になるのは、「値段ほど美味しさの違いがあるのか」ですが、ある程度までは美味しさと値段は比例すると言われています。
例えば、一本数百円のワインと数千円のワインは、やはり味が違います。
ただし「基本的に、一万円超えたらあとは一緒」だそうで、ロマネ・コンティのような一本が数十万円するワインでも、最近人気が出てきて一万円超えたくらいのワインでも、品質に値段ほどの差はないそうです。
ワインのブランド名を隠したブラインド・テイスティングでは、一本数千円レベルの無名ワインがボルドーの五大シャトー級の超高級ワインを上回ることもあるようですが。
これは、必ずしも「超高級ワインの質が落ちた」ということではなく(特に90年代以降は超高級ワイン側も品質が向上しており、非常に高レベルの競争になっています)、審査員の好みやその年の出来次第で、超高級ワインを上回る場合があるということです。
実際、勝ったと言っても数点差だったり、負けた側も100点満点の90点台だったりと、どちらを飲んでも十分美味しいものになっています。
「出来がいい年は無名の生産者のワインを、出来が悪い年は有名な生産者のワインを飲むべし」とも言われるとおり、ブドウの出来がいい年は無名の生産者でもかなり美味しいものが出来ますから。
あと、ボルドーのメドック地区の有名シャトーはブドウ畑の敷地が広いので、逆にブドウ畑の狭い小規模な生産者のワインの方が作りが丁寧で美味しい、ということはあり得ます。
そういう「有名シャトーより点数が高いワイン」を見つけたら非常に得したと思って、大事にリピート購入しましょう。リピートすればまた入荷する可能性が高くなります。
好みや生産者にもよりますが、同じ価格帯だと、ボルドーやブルゴーニュ以外の生産地のワインの方が値段に比して美味しい(コスパが高い)ことが多いようです。
とは言え、一生に一度は一本数万円する超高級ワインを飲んだ方がいいでしょう。本物の超高級ワインはやはり味や香りが違うので、それを知った上でいろいろ飲む方がいいです。
特に「この人をワイン好きにしたい」というときには、投資と思ってドーンと出費しましょう。
私はボルドーの超高級ワインを飲んでワイン好きになりましたし、知人はカリフォルニアワインのオーパス・ワン(カリフォルニアの代表的な超高級ワイン。値段も五大シャトーと張ります)でワイン好きになったそうです。
二人とも他人のお金で飲ませてもらった口ですが…(笑)
そんなわけで、ある人を自分と同じ趣味にしたいときは、その趣味の中で最良のものを経験させるのがいいと思っています。