「私のアマチュア心理学(回想)」
私が知っていたり実践したりした心理学について少し書きたいと思います。
心理学が何の役に立つのか?と申しますと、ひとつは心理療法として、ひとつは対人関係や性格の改善などとして役立つ場合もあります。
心理学を大まかに分類しますと、色んな分類方法もあるようですが、私の場合は、だいたい3つに分類します。
(1)行動主義的心理学 (2)精神分析的心理学 (3)人間性心理学です。
まず、(1)の行動主義的心理学ですが、私の経験から申しますと、私は思春期から青年期にかけて、自分の内気な性格や対人関係などに悩んだ時期があり、何とかしたいという思いで、苦手意識や劣等感の克服に色々な事にチャレンジしました。
高校の頃から過度な対人緊張・あがり症がはじまり、対人関係が苦手だったので、図書館や本屋で、心理学などの本を読みあさったりしていました。
社会人になると、あがり症で苦悩しながら働いて、心理学や、その類の本を読みあさっていました。
二十歳前半は、対人関係などの苦手意識克服のために、ナンパの修行や飛び込み営業などの仕事にも挑戦しました。
職場の対人関係やあがり症などで、職場を転々としました。
苦手なことにあえて挑戦する事は、心理学で言うところの行動療法のひとつでもあります。
また、劣等感を克服しようという意志や試みは、(2)の精神分析的心理学のひとつの、アドラー心理学というものの主要概念のひとつでもあります。
社会人になり、自分の内向的な性格やあがり症に悩み、民間の心理療法もいくつか受けましたし、精神保健福祉センターで心理相談・カウンセリングなども受けました。
私が受けたカウンセリングなどは主に、(3)の人間性心理学の傾聴などのクライアント中心療法というものを使ったものでした。
二十歳の頃に、仕事先で思い悩んで、初めて病院を受診しました。
それまでは、性格の問題と思っており、病気という認識はありませんでしたが、対人緊張を薬物療法で緩和治療できることを知りました。
20代半ばくらいから、精神分析で言うところの「トラウマ(心的外傷)」という考え方にハマリ、色々と勉強したり試したりしましたが、それだけでは良くならないという事に気づき、今では、その概念は放棄しています。
ですが、人間には意識と呼ばれるもの以外に、無意識・潜在意識・深層心理などと呼ばれるものがあることは、明確であると認識しています。
話は前後しますが、20代の頃、交流分析というものを知って、エゴグラムという心理テストを色々とやりました。
これは、精神分析の簡易版でもあり、心身医学(心療内科で使われます)の基本的概念のひとつでもあると認識しています。
二十歳前後に図書館で読んだ本に、「森田療法…」という心理療法があり、自分が森田療法で言うところの森田神経質であるということを知りました。
森田療法の当事者会である『生活の発見…』というグループに何度か参加しましたが、精神分析的なことに反対する理論であるため、精神分析的な見解を言うと、反発をくらって行かなくなりました。
ですが、そこには私と同じような問題を抱えた人たちが大半をしめていました。
これは、「行動主義的心理学」に当てはまるところが多いという認識をしています。
長年、色々と自分なりに心理学的な事をやりましたが、二十代後半で分かったことは、苦手意識の克服などで色々と行動してみたりすると、ある程度までは良くはなりますが、根本的なところではなかなか変わらないことに気づきました。
現に、あがり症や内向的性格などは現在は、それに有効な薬物療法などはありますが、心理学的なアプローチでは根本的には変わらない人がほとんどです。
一時期、「人生の意味」とか「人は何のために生まれてきたのか?」などという問題に関心を持ち、調べたりしました。
これは心理学的に言えば、ビクトール・フランクル博士という方を代表とする「実存分析」とか「実存心理学」などと呼ばれます。
日本で、このようなことに有名な人に、心理学・教育学者の諸富よしひこ教授という方がおりまして、その著書を数冊読みました。
以上が、私がやってきた心理学的遍歴の大まかな記述です。
時間がなくなりましたので、今回はここまでにします。