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スパークリングワインにまつわるあれこれ(3)シャンパン以外のスパークリングワインについて

プチ・マリアさんのコラム


スパークリングワインにまつわるあれこれ(3)
シャンパン以外のスパークリングワインについて


前二回はシャンパンを中心に語ってきましたが、シャンパンは高級志向なので、お財布にはちょっと厳しいです。

けれども、シャンパンと同じ作り方で他の地方の生産者がスパークリングワインを作ってはいけないという規則はなく、結果としてフランスの他地方や他の各国に「シャンパン製法のスパークリングワイン」が存在することになりました。

シャンパーニュ地方を除いたフランス国内で作られたものはクレマンと言われ(例えばボルドー地方で生産されたものはクレマン・ド・ボルドーと呼ばれます)、他国ではそれぞれの呼び方があります。

例えば、スペインにおける「シャンパン製法のスパークリングワイン」は、カヴァ(カバとも。スペイン語ではvとbを区別しないので)と言います。

事業としてカヴァを製造し始めたのは19世紀後半だそうですが、その時の事業者はシャンパンの作り方を学んできた人物だそうで、最初からシャンパンの影響下にあることが伺われます。

なお、フランスにも「シャンパン製法ではないスパークリングワイン」は存在し、そちらは「ヴァン・ムスー」と呼ばれているそうです。

見分け方としては、シャンパン製法とPOPや説明書きに書いてある場合が多いですが、これはあくまで輸入して販売する側が(恐らくわかりやすさを狙って)つけた呼び名なので、他の地方では正式には「トラディショナル方式」と呼ばれ、クレマンやカヴァの名前にもトラディショナルもしくはそれの各国語版の言葉がついていることが多いです。


スペインのカヴァは、使われているブドウの品種もシャンパンとは違い、マカベオなど地元の品種が主流です。

味では本物のシャンパンの方がいいという人もいますが、値段を考えたらカヴァでいいとか、カヴァの方がお得だ(コスパがいい)とか、主に価格絡みの面で好評なようです。

もともとスペインワインは値段の割に美味しいということで、近年になって評価を上げてきているのですが、カヴァもそういう傾向があります。

もうかなり前になりますが、前回までに書いた超高級シャンパンのドン・ペリニヨンと間違える芸能人が続出したという、ロジャー・グラート社のロゼ・スパークリングワインも、スペインのカヴァです。

他、イタリアのスパークリングワインであるスプマンテの中のフランチャコルタも同じ「シャンパン製法のスパークリングワイン」です。

スプマンテそのものはタンク内で二次発酵させるシャルマ方式で作られているものが主流ですが(アスティはシャルマ方式で、工場で大量生産されているそうです)、フランチャコルタはかなりシャンパンを意識しているようです。

そもそもフランチャコルタというのがシャンパーニュと同じく地名で、同じように地名表記で識別されていますし、品種もシャルドネとピノ・ネーロ(ピノ・ノワールのイタリア語での呼び名)、ピノ・ビアンコ(ピノ・ブラン)と、シャンパンと同じ品種が採用されています。

製法に関してもシャンパンより法定熟成期間が長いほどで、品質の高いものが多いそうです。

ドイツのゼクトは、産地やブドウ品種は問いませんが、アルコール度数や二酸化炭素の含有量などが細かく決められており、これを守ったものが名乗れるそうです。

製法に関してはシャンパンと違うものも含まれているそうです。

ちなみにドイツでは、アルコール度数などが違うものも含め、スパークリングワイン全般に関しては「シャウムヴァイン」と呼んでいるそうです。


これから暑くなる時期、スパークリングワインで乾杯するのもいいかもしれませんね。


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