サビ管の冨塚です。
カムラックラボ県庁前事業所は、
管理者兼職業指導員1人、生活支援員1人、
専任職業指導員2人、サービス管理責任者1人のスタッフ5人と、
障害のあるメンバー7人の社員とで2015年5月に船出しました。
今年、その陣容は定員20人に達しています。
私は社会福祉主事の資格を取得するために
神奈川県に1週間の実習に行ったことがありました。
小ベンツ
初日の夜、懇親会に参加したときに、
とても小さな女性がいました。
澤口夏子さん(仮名)は、軟骨無形成症という疾患を持っており、
当時24歳だったにもかかわらず、身長は1mありません。
歩行は不安定なため、
歩行器を押しながら歩いていました。
歩行器のことを
「小ベンツ」
と言っていた利用者さんがいました。
その方が前月に急逝したこともあって、
懐かしさも感じ彼女の歩行器のことも
「小ベンツ」と言って私は話しかけました。
驚いたのは、彼女が私と違い、彼女の施設からの要請で、
施設のお金で、業務として講習を受講しているということでした。
彼女と話している間は
全く障害を感じることがなく、
資格を取った後の未来を語る姿に心を打たれました。
何より、彼女の笑顔は福祉に疑問を浮かび始めた私に
温かな風を運んでくれていました。
彼女は地元の大学を中退してから、
市の紹介する図書館で司書補助として働きました。
そこでは「黙って座っていてください」と言われ、
何の仕事も与えられなかったそうでした。
納得できなかった彼女は、自分でハローワークに通い、
高齢者施設で事務の仕事を見つけ応募し見事採用されました。
不幸を不幸のままで終わらせないためには
誰しも
それぞれ「不幸な」物語があると思います。
ですが、その
不幸を不幸のままに終わらせないためには、
人とのつながりと具体的な行動が必要です。
彼女が行ったのは、与えられた場所から離れ、
自分の居場所を自力で見つけ、そこで結果を出したことでした。
私といた間も一人で飛行機に乗り、
福岡空港に降り立ち、
車で福岡ドームのMr.Childrenのコンサート鑑賞を楽しみました。
あれから3年。
残念ながら、お付き合いは無くなりましたが、
一人で動ける範囲を広げた彼女は、今、親元を離れ、
隣の市で一人暮らしをしているそうです。
会社が成長するためには社員の成長が必要です。
そこに障害は関係ありません。
また
誰かの為の居場所を作れるよう、
共に成長していきたいと願います。
上記、移行支援バナーは、移行支援事業所の利用者が制作しました。