今回は障害者就労継続支援A型事業を、
その歴史とともに説明したいと思います。
障がい者が働く場所が誕生したの当時、
まだ公的な福祉法制度の関与はありませんでした。
福祉制度のあゆみ
障がい者の就労には自由がない措置制度の下として戦後20余年後、
作業所として生まれました。
バブル崩壊の不況から経済が回復してきた2003年に
社会福祉法が公布されます。
障がい者も地域で暮らし活動できる社会を目指すという「ノーマライゼーション」の理念の中、
措置制度から利用者自身が選択できる契約制度になり公的な支援も開始されました。
また、事業者の参入も緩和され
小規模社会福祉法人も参入できるようになりました。
財政悪化を受け、公費抑制の構造改革で景気回復をしてきた小泉内閣最終年2006年、
「自立」を掲げ、「精神障害」を統合した障害者自立支援法が公布されました。
就労継続支援A型事業開始
訓練・就労支援制度の強化・株式会社など民間事業者の参入要件が更に緩和され、
就労継続支援A型事業も開始されました。
第二次安倍内閣の経済政策、アベノミクスの2013年、障害者総合福祉法が公布され、
3障害に発達障害と難病が対象になりました。
さらに、手帳なし(診断書のみ)でもサービスが可能になり
相談支援専門員が原則、障害者サービス利用の際必要となりました。
就労継続支援A型について
就労継続支援事業A型というのは、
福祉的就労の継続した支援です。
一般企業での就労が困難な方に、働く場を提供し、
知識及び能力向上の為の訓練を行うことを目的とします。
「作業所」に比べ、
「個別支援計画」に基づく「サービス管理」が入ったことで
支援の質の向上が図られるようになりました。
また、移行支援と違い、利用期限もないため、
自分のペースで働くことができます。
働き・暮らすこと
ただし、B型と違い、労働契約に基づく最低賃金保証があります。
そのため<福祉的就労>の場として、
利用者に合わせた活動の幅を持たすことが難しくなっています。
厚生省では、利用者の賃金は、事業所の報酬から分配されるとの見解です。
なので事業所は利用者の賃金分の報酬を稼ぐ必要があり、
報酬単価の高い、難易度の高い業務を行う事が必要になります。
また短時間勤務希望やスキルや経験の低い方が
利用時間の長いカムラックのような事業所では難しくなる問題も生じています。
法律が変わる中で、就労支援事業所も変わる必要に迫られます。
ですが、求められる事は利用者個人の傍らに立ち、
声を拾い・応答し、利用者と社会の間の橋渡しをし、
「地域の中で当たり前のように働き・暮らすことを実現してゆく」よう
努めていくことは変わらないと思います。
上記、移行支援バナーは、移行支援事業所の利用者が制作しました。