ワインの王様・ボルドー(4)ボルドーワインで使われるブドウの品種
~白ワイン編~
ボルドーと言えば赤ワインというイメージが強いですが、白ワインもちゃんと作られています。赤:白の比率は7:3だそうです。
赤と白の両方を作っているシャトーも多く、ワイン名の途中や最後に「ルージュ」=赤、「ブラン」=白とつけることで区別しているようです。
ボルドー全体の白ワイン用品種としては、ソーヴィニヨン・ブランとセミヨンが有名で、地域によってはミュスカデル(Muscadelle)という品種も10%以下の比率で使われるそうです。
混同しやすいのですが、ロワール地方産の白ワインで使われるミュスカデ(Muscadet)とは違う品種だそうです。
ボルドー地方の甘口ワイン・貴腐ワインの生産地として有名な、ガロンヌ川左岸のソーテルヌ地区ではセミヨンが主体で、ソーヴィニヨン・ブランを混ぜて醸造するそうです。
他の地域の甘口ワインでも、セミヨン主体の地区がかなり多いです。
ちなみに、貴腐ワインが何故甘いかというと、白ワイン用の品種で特定の菌によってカビが生えた場合の作用によります。
他の農作物に同じカビが生えるとダメになりますが、白ワイン用の品種でそのカビが生えると、その作用で果皮の保湿成分が溶けることで果汁中の水分が蒸発し、果実の中の糖度が上がることで「貴腐ブドウ」になり、それによって作られたワインも甘くなるそうです。
セミヨンとソーヴィニヨン・ブランの二品種は、いずれも果皮が薄いため、貴腐化しやすいと推測出来ます。
なお、ソーテルヌと、すぐ近くのバルサックの貴腐ワインも、赤ワイン同様1855年に格付けされ、唯一の特別一級となったのが「シャトー・ディケム」です。
赤ワインの格付けに「特別一級」はないので、ある意味でシャトー・ディケムこそ真の頂点と言えるかもしれません。
一方、辛口の白ワインに関してはソーヴィニヨン・ブランが中心の場合が多いようですが、地区によってはセミヨンをメインに使うこともあり、比率に関しては一概に言えません。
有名な地区としては、ガロンヌ川とドルドーニュ川に挟まれた地区である「アントル・ドゥ・メール」や、赤ワインでも有名なグラーヴなどがあります。
「アントル・ドゥ・メール」はボルドー地方の辛口白ワインの代表的な産地、というよりフランスのAOCという規則で、この地区名は白ワインしか名乗ることが出来ない(赤ワインの場合は「ボルドー」と名乗る)という、特殊な地域です。
近年、最新技術の導入が進んでいる地区だそうで、以前よりおいしくなっている可能性が高く、白ワイン発掘にはお勧めの地区です。