特定求職者雇用開発助成金について
特定求職者雇用開発助成金というのがあります。
高齢者や母子家庭の母、身体・知的・精神障害者を雇用すると一人当たり数十万から多い方で数百万を最長2年間にわたり分割で支給される制度です。
弊社の様な就労継続支援A型事業所となると、社員のほとんどが対象となります。
この制度、社内の環境整備・規模拡大・キャッシュフロー等、会社を経営していく上で大変ありがたい制度ではございますが、この助成金を得るために障がい者を囲い会社を経営しているのであれば本末転倒です。
この助成金は雇用する会社に支払われますが、対象は雇用される人に紐付きます。
ネットで「A型 2年間 雇用 助成金」あたりを検索すればボロボロとよろしくない話が出てくるでしょう。
実はそういう動きに対し、厚生労働省も支給制限をかけてきました。
助成金のために障害者が食い物にされているのであればこの支給制限自体は賛成です。
ただ、その制限の仕方がなんとも回りくどく、その犠牲がまた障害者に集中してしまいそうなので、A型事業所を経営している私から見た不安要素を簡単に要点だけ述べておきます。(本来はもっと複雑なルールが重なっているのですが、対象が一般の方向けですのでご了承ください)
結論から言うとA型事業所には「特定求職者雇用開発助成金」は支給しないとはっきり言って欲しい。
じゃないと本当にしわ寄せが障害者に行きます!!
(今回厚生省が発表したルール)
◼︎受給者証の暫定支給者には助成金は支給されない
◼︎期間の定めのない雇用が必要(期間の定めがあり、自動更新は不可)
私どもの様な福祉サービス事業所で働くには、行政が個人に発行する受給者証というものが必要になります。
この受給者証を初めて発行される方には暫定期間というものが付く様になりました。
要はこれまでA型で働いたことのない方には必ず受給者証に暫定が付きます。
この暫定支給期間のある方を雇用した場合、助成金が適用されなくなりました。
ここで懸念される点として、A型事業所で初めて働いてみたいと思う方の雇用が減る可能性があります。
助成金目当ての事業所なら他の事業所や移行支援事業所を紹介することになり、就労難民が増えるでしょう。
これから就労を考えてらっしゃるお子様をお持ちの親御さんはどんな気持ちになるでしょうね。
また、そうなると受給者証をすでに持っている方(暫定無し)が重宝される様になります。
しかし、助成金の支給期間がありますので、その期間が過ぎると事業所間での人身トレードがこれまで以上に頻繁に行われる様になるでしょう。
但し、これについては厚労省もトラップを敷きました。
簡単に言うと「離職率50%の会社は助成金を支給しない」です。
こうなるとどうでしょう。
支給価値のなくなった事業所は事業所を閉めて新しい経営者を立て新しい事業所を申請してまた障害者を囲う様になるでしょう。
そしてまた障害者が利用されてしまいます。
ですので遠回しに真綿で締めるように改変するのではなく、A型にはこの助成金を支給しないとハッキリ言ってもらわないと、イタチごっこが繰り返されるだけだと思います。
弊社は特定求職者雇用開発助成金を当てにした経営はしていませんので暫定支給の方でもどんどん採用します!(もちろん対象の方が入社すれば喜んで活用させてもらいます)
弊社で力をつけてどんどん稼いで会社と共に成長し社会と共存し貢献していきましょう!!
それよりもちゃんとやったところが評価される制度にしてほしいな・・・
2015/06/05 追記
私がこういう記事を書けるのも、普段から弊社を信頼しお仕事を提供してくれるお客様、いつもメンバーのモチベーション維持と技術向上に励んでくれるスタッフ、そして皆様の信頼に応えるメンバーのおかげです。
ありがとうございます。
お知らせ
総合案内
〒 812-0044
福岡市博多区千代4丁目1-33 西鉄千代県庁口ビル1F
TEL:092-980-1050