こんにちは。サビ管の冨塚です。
今日は合理的配慮について紹介します。
2016年4月施行の「障害者差別解消法」により、
一人ひとりの困りごとに合わせた「合理的配慮」の提供が義務化となりました。
否定することは差別していることと判断されます。
合理的配慮とは
合理的配慮とは、
障害の有無に関わらず平等に人権を享受し行使できるよう、
一人ひとりの特徴や場面に応じ発生する障害・困難さを取り除くための、個別の調整や変更のことです。
前にも書きましたが、障害は、ただ単に、病気に罹患していることを指すわけではないと思っています。
例えば、カムラックのような事業所がサポートをすることで、
本人も含め、障害となっていることが取り除けられるのであれば、「障害」では無くなるはずです。
言い換えれば、個人と社会の相互作用の中で障害は発生すると思っています。
そう考えれば、「障害」を解消する手段は、投薬やリハビリといった医学的な手段だけでなく、
合理的配慮をはじめとする、社会の側の工夫や改善も含まれます。
具体的な手段ですが、
同じ診断のある人には一律に同じ配慮すればそれで良い、ということでもありません。
障害のある方一人ひとりが、具体的にどんな困難を抱えているかということに注目し、
必要な配慮を考えていき障害のある方本人にとって、
その配慮が「必要かつ適当」な程度や内容であるかという点が重要です。
あくまで、障害のある方が主体的に自分の力を発揮していくことが目的なので、本人が必要としていないような過剰な配慮は合理的とは言えません。
コミュニケーションが苦手としている人に、ネットを使用することで、相談できる環境を作れると したならば、合理的配慮と言えると思います。
ただ日常生活すべてにおいて、周りが介助をして助けてあげる、というのは本人にとって過剰な配慮となってしまいます。
また、症状が緩和して問題を感じなくなれば、配慮は不要になるかもしれません。
つまり、本人の状態や周りの環境の変化に応じて、
・その人が具体的にいつ、どんな場面で困っているのか。
・その困りごとを解消するための適切な配慮は何か。
という2点を踏まえながら合理的配慮を検討・実施することが大切です。
配慮の本当の意味
合理的配慮は実施されるべきではありますが、配慮を行うことで、他の人たちの生活や活動が困難になるほどの影響や、あまりにも大きな負担を伴う場合は、合理的配慮とは言えないと思います。
その配慮が「過度な負担」かどうかは、事業者が、個別の場合に応じて判断すべきだと思います。
ただし、「過重な負担」を理由として配慮を断る場合は、その理由を説明すべきですし、
負担が少ない形で他の配慮が実現できないかを、常に考えることが重要です。
合理的配慮を受けることは、障害のある方の権利ですが、
配慮を必要とする本人が意思表明をしなければ、機会を逃してしまいます。
ですので、アセスメントなどの情報収集の場面で、どんな場面で何に困っていて、どんな配慮を必要としているかを尋ねるようにしていますし、個別支援計画では自ら相談することを目的とすることもあります。
また、状況も変わりますから、支援経過を評価し、その都度、アセスメント、個別支援計画は作り直していくことが求められます。
「配慮」という言葉だけを聞くと、
「してもらうもの」、「してあげるもの」というイメージを抱きがちです。
ですが、本来は「調整・便宜」という意味合いがあるのです。
例えば、イヤホンをすることで、休憩を取ることで、配慮を受ける本人が力を発揮し、活躍することができれば、一緒に働く人々や、雇用主である事業者にとっても働きやすい環境が実現するはずです。
そういった点を踏まえて、カムラックでは支援を行っています。
上記、移行支援バナーは、移行支援事業所の利用者が制作しました。