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【相談専門支援員ブログ】就労系障がい福祉サービスに関してご家族が思うこと

就労系障がい福祉サービス利用者のご家族は、介護給付の利用者と比べ、自立を望む気持ちが大きくなっているとは思いますが、反面、自立に対しての不安も大きいように感じます。

 

ご家族の不安と制度の差異

もちろん、障害があっても、自立度が高く、一般就労もし、社会的自立が出来ている方もいます。また、一人暮らしなどご家族の支援がない方もいますし、同居していてもご家族の支援が得られにくい方もいます。


通所事業所は、「通所して」支援が出来るところなので、通所が不安定な方は特に居宅での状況は重要です。計画相談支援や訪問介護・訪問看護、グループホームのスタッフなどと連携を図るわけですが、精神疾患の方など不調になると連絡が取れなくなる方もいて、その際にご家族との連携があると支援が行いやすくなります。


ご家族から見た就労支援の期待と不安は、ともに経済的自立の部分かと思います。ただ、障がい者年金や生活保護などの直接的経済的支援と就労支援が混ざっている気がします。確かに、障がいがあることによって、本人もご家族にも経済的負担が発生しているところはあり、それは制度として整備されるべき物であると思いますが、就労支援はあくまで「社会的自立」を目指すためのサービスです。

 

社会的自立と経済的自立

就労の対価によって工賃や賃金を報酬として受け取るという形にならないと、仮に経済的な問題が解決したとしても目的である「社会的自立」はできないですし、国の財政の問題もありますし、就労支援事業所は法律に沿って運営している訳だし、通所事業所の多くは経済的にギリギリで運営されているわけで、工賃や賃金を簡単に上げられる筈がありません。


ただ、事業所の方にも問題はあります。利用者の能力を活かせる仕事の提供や技術訓練を行わず、一般就労を含めたステップアップも検討しようとせず「ただ通所しているだけ」になっている事業所はサービスを行っているとは言えません。結果、経済的・社会的自立を妨げていることになります。


制度で言えば、食事提供や送迎、リモートワークの利用など利用者が「自分がやりたい、自分の能力を活かせる仕事をしたい」という思いを最大限許容できるような制度にしてもらいたいです。


働くにしても技術や知識、場合によっては資格の取得などが必要となっているのは、何も一般就労を目指す「就労移行支援」だけでなく、就労継続支援で働く場合にも必要となるものです。その訓練が経済的不安を感じずにできるようになれば、就労継続支援で成果を出すことができ、工賃や賃金も上がり、一般就労を含めたステップアップも可能になると思います。

 

ご家族の支援

もうひとつのご家族の不安は「ご家族がいない間の利用者の状況」だと聞きます。これは、就労継続支援B型の利用者のご家族だと思いますが、これも制度の問題と感じます。現在、就労訓練の前段階に「自立訓練」というものがありますが、就労訓練に結びつけるには目的が乖離している気がします。何を言っても約2年の利用という制限があるため、自立訓練の期間を使い切ってしまっても、就労支援事業所の利用が難しい方にとっては行き場がない状態があります。


ご家族にとっては「ひきこもり」になってしまった場合、ひとりにさせておくことの不安が出ますから、ご家族の仕事や自由時間にも制限がかかると感じる方もいらっしゃると思います。日中支援型のグループホームも含め経済的以外の部分でのサービスがうまく連携するようになればと思います。
 

社会的自立・経済的自立もありますが、結婚など、ただひとりで生きることが出来るだけでなく、他者との繋がりなどにも期待と不安があると思います。実際、就労継続支援B型の利用に関しては居場所作りが通所前には最も多い理由だったりします。

それは就労支援のサービスとは思いませんが、お金や仕事だけで人は生きているわけでないのも確かです。相談支援などが現在ある福祉サービス以外の「基本相談」の部分で「ご家族の支援」も含め支援することができるような制度の改正も必要かと思います。
 

 


 

 


上記、移行支援バナーは、移行支援事業所の利用者が制作しました。

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