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【相談専門支援員のブログ】今後の障がい者就労事業所の展望

令和6年4月より、民間企業における障がい者の法定雇用率が2.5%となった。令和8年度には2.7%まで引き上げられることが決定しており、令和5年度に民間企業に雇用されている障がい者の実雇用率が初めて法定雇用率を上回り、過去最高となったが、法定雇用率の引上げに伴い、雇用される障がい者は今後も増加するものと予想されます。

 

法定雇用率の達成と定着率

障がい者雇用者数は増える一方で、法定雇用率を満たす企業は企業全体の5割に止まっています。また、就職してからも、精神・発達の障がい者の定着は5年弱にとどまっており、就労定着支援サービスの最長3年の支援では解決できてない問題があります。


障がい者就労継続支援A型が生産活動収支に関する評価を厳格にすることで全国329カ所の事業所が廃止等に追い込まれる事態になっているように、今後も福祉就労よりも一般就労への社旗的自立を目指す方向性は変わらないのではないかと思います。


令和6年より一般就労中の就労系福祉サービスの一時利用ができるようになりましたが、これも企業で定着率を上げていくための施策の一環です。個人的には、それでも就労5年後の定着率の問題は、改善しにくいでしょうから、就労定着支援の期間を現在の3年以下だけでなく、5年目周りの支援を検討すべきかと思いますし、場合によっては一時利用の期間にも柔軟な考えが必要なのではと思います。

 

利用者の条件

どちらにせよ、就労継続支援A型の運営が厳しい状況は変わらないわけですが、そもそも生産活動費がマイナスになる要因の一つが「適切な支援により雇用契約に基づく就労が可能な障がい者」という利用者の条件を守っていないことにあるとも言えます。
 

これは、集客のために利用者の条件に目をつぶっている事業所にも問題がありますが、簡単に受給者証を発行する自治体にも問題があり、その原因を考えたときに、自治体の福祉就労に関わる係とその利用計画を作成している計画相談支援事業所が、どちらも「就労」について詳しくないことが挙げられます。

 

「就労選択支援」という新しい支援

その対策に成り得るサービスが「就労選択支援」です。令和7年10月から始まる予定の「就労選択支援」は、就労先や働き方について、障がい者本人が適切な選択ができるよう、就労アセスメントの手法を活用して、本人の希望、就労能力や適性等に合った選択を支援するという制度です。


障がい者本人が、就労選択事業所に配置された就労選択支援員と協力して、適切な働き方や就労先を選択するうえで必要な情報や助言を得るという仕組みです。雇用のミスマッチを極力避ける観点からも、就労を希望する障がい者は、支援員の話を聞いたうえで自身の希望とすり合わせていく構造です。


これによって、「就労」に詳しくない計画相談支援員らのカバーに成り得ることは期待されますが、懸念はあります。就労支援が初めての方は原則として利用することになっているようですが、更新時は希望者のみ利用可となっています。これでは、それのみで運営が成り立たないのではという不安があります。


また、就労選択支援員の中立性、能力が問われます。支給決定時にのみしか利用できないということは、進捗管理は計画相談支援が行うと思われますが、それが課題であるはずであることを考えたときに、いっそ、就労支援に関しては、利用計画・モニタリングは就労選択支援に任せるほうがいいのではと思います。


就労支援全体の適正な運営が適っても、それにより各事業所の利用者数の確保は難しくなる恐れがあり適正な事業所への給付額を上げるなどの施策はほしいところです。
また、就労継続支援B型など、就労に適さないと判断された方への支援方法を考える必要があります。

 


 

 


上記、移行支援バナーは、移行支援事業所の利用者が制作しました。

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